エディ・メルクス サンレモ76(EDDY Merckx SAN REMO76)
輪聖という称号を与えられた史上最強のロード選手、エディ・メルクス氏の名を冠するベルギーのエディメルクス社。
エディ・メルクスの現行モデルは、メルクス氏のキャリアの中でもターニングポイントとなったレースの開催地と年号をその車名に冠している(EMX-525は除く)。
1976年3月19日、“ミラノ~サンレモ”レースでポッジオ峠に差し掛かったメルクスを含む先頭集団は、突然のメルクスのペースアップを容認する。
メルクスはポッジオでリードを広げると、以降の幾度かのライバルのアタックをものともせず無尽蔵のスタミナを武器にゴールに飛び込んだ。
セカンドモデルのエディ・メルクス サンレモ76(EDDY Merckx SAN REMO76)は欧州レースシーズン開幕を告げるレース“ミラノ~サンレモ”をエディが制したこと由来する。
これで優勝7回目。(1966、67、69、71、72、75、76年)。今(2018年現在)をもってして破られていない優勝最多記録である。
フレームはカーボン製で、リムブレーキ仕様とディスクブレーキ仕様の2種類がラインナップされる。
フレームの重量は1kg、フォークが360gと標準的なカーボンフレームよりも下回る軽さを誇っている。
フレームサイズはXS,S,M,Lの4種類。タイヤ幅は主流になりつつある25㎜まで対応している。
エディ・メルクス サンレモ76(EDDY Merckx SAN REMO76)はハイエンドモデル「EM-525」につぐ、セカンドグレードのレーシングモデル。
エディ・メルクス サンレモ76(EDDY Merckx SAN REMO76)フレームの工法は最新のEPS工法(発泡ポリスチレン成形)を採用。
この工法はシリコン製の軸とポリスチレン製のコアを使用し、従来の工法よりも残留エアを減らすことのできる高圧力をかけることを可能にし、同時にチューブ内部のシワや凹凸のない成形を実現。
結果として余分な樹脂素材を除去でき、高強度と軽量化を図っている。安易に高価なカーボン繊維に頼るのではなく、技術力で高い性能を目指すのが最新のトレンドであり、エディメルクスもそれに則ったモノ作りをしている。
シートポストを確実に固定しつつ、シートポストのクランプ部のエアロ効果もあるインテグレーテッド・シートポストクランプ上側1.125、下側1.5インチのテーパーヘッドコラム。
最近、多くのモデルでよく見る空力性能に寄与している下方にオフセットされたシートステイ。
極端なエアロや重量などのフレーム単体数値だけを追いかけず、あくまで人が乗車した上でコントロール性も含めたバイク全体の性能に重きを置いている、との事。
リアブレーキ周辺のみ薄く扁平させているのも剛性のバランスを考えたこだわりの1つ。
シフトケーブルやブレーキケーブル・油圧ホースをフレーム内に内蔵することでスッキリとした取り回し。
ドロップアウトからコラムまで一体成型したフォークは、剛性が高く安定感の高いハンドリングを実現している
シートステーのしなりをスムーズにするためシートチューブとの接合部は潰し加工が施されている滑らかなラインが美しいBB部。
規格はBB86を採用している。応力特性に合わせて左側のチェーンステーを強化して、効率的にトラクションを発揮する。
エディ・メルクス サンレモ76(EDDY Merckx SAN REMO76)
サイズ/XS ? S ? M ? L
フレーム/Carbon Monocoque
フォーク/Carbon Monocoque
シートポスト/専用品付属
ヘッドセット/FSA headset 1-1/8 / 1-1/2
BB/プレスフィット(BB86)
装着可能タイヤサイズ/25mm
日本国内販売価格:278,000円(税抜、フレームセット)、
日本国内販売価格:398,000円(税抜、シマノ・アルテグラ完成車)
エディ・メルクス サンレモ76(EDDY Merckx SAN REMO76)のレビュー&インプレッション
以下に数人の感想を記す。個人の意見なのであくまでも参考まで。
石畳でいかに進むかを考えて設計されたバイクという印象。
絶対的な剛性は高め。
硬すぎると感じる方もいるかも。
がっちりとした体格のハイパワー系のライダーにあってると思う。
「エディ・メルクス(EDDY Merckx)」の紹介
エディ・メルクス。ベルギー人。1960年代から70年代に活躍したプロのロードレーサー。
その戦歴は圧巻である。
ツール・ド・フランス総合優勝5回、ジロ・デ・イタリア総合優勝5回、 ブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝1回と、3つのグランツールすべてを制覇。
そのうち、1970・72・74年にはツールとジロの両方を制する「ダブルツール」を成し遂げている。
欧州レースシーズン開幕を告げるレース“ミラノ~サンレモ”を
1976年にも優勝。これで優勝7回目。(1966、67、69、71、72、75、76年)
今(2018年現在)をもってして破られていない優勝最多記録である。
ツールにおけるステージ優勝は通算34勝にのぼり、マイヨジョーヌ着用日数96日、1つのツールで8回のステージ優勝という記録は、今後も破られることはないだろうと言われている。
エディはグランツールだけでなく、ワンデイレースでも打倒不可能な存在だった。
また、メジャークラシックのミラノ~サンレモを7回、リエージュ~バストーニュ~リエージュを5回制し、 1シーズン54勝というシーズン最多勝記録も残した。
その他、世界選手権優勝3回、ワールドアワーレコード新記録樹立など、ロードレースにおけるトップイベント全てで勝利をほしいままにし、現役通算525勝という偉業を成し遂げている。
唯一とっていないのはオリンピックのメダルくらいではないか?
16年間の現役時代に通算525勝という、とてつもない記録を残した“史上最強のレーサー”エディ・メルクス。
そのあまりの強さから、カニバル(The Cannibal=人食い鬼)と呼ばれていたことはあまりにも有名だ。
現役時代、メルクスは機材にうるさい選手として有名であった。
名匠の造るフレームの数々を乗り潰し、カンパニョーロ社には特注のチタニウム製パーツを造らせた。
現役時代の終盤、エディのフレーム製作を一手に引き受けたウーゴ・デローザには、実に年間50本以上のフレーム製作を依頼しているほどだ。
素材、重量、スケルトン(設計)など、ロードレーサーのあらゆることに一切妥協しない。
怪物にして繊細な神経を持つのがエディ・メルクスだった。
1978年に現役を引退後、エディ・メルクスは自らの経験を生かしたロードレーサーを創るために、
ウーゴ・デローザの門戸を叩き、ロードバイク制作を学ぶび、後にブリュッセル郊外に自社工房を興す。
自らはレースを降りても、そして、ベルギー王室から男爵の爵位を送られても、エディのロードレーサーへの探究心は変わっていなかった。
完璧主義者ともいえるエディのこだわりは、現在のエディ・メルクス(EDDY Merckx)ブランドのモノづくりにおいても最大限にフィードバックされている。
最高の素材を用い、エディの経験とノウハウを設計に反映させる。素材の選択から神経を尖らせ、絶対に妥協を許さない。
同社はメルクス氏の機材への強いこだわりを具現化。ジオメトリーを中心に細部まで走りにこだわった自転車を作り続けている。