ルック675(LOOK 675)
ルック675(LOOK 675)は、比較的保守的な姿勢を崩さなかったルックが投じた意欲作だ。フレームセット日本国内販売価格283,500円というミッドレンジモデルである。
強靭かつ軽量なレースバイクの695、クライミングバイクの586SL、コンフォートバイクの566などとは大きく路線を変え、675は走り性能を犠牲とせず、耐久性・走破性へと主にフォーカスしていることが特徴と言える。
ステムからトップチューブへと流れるように繋がるラインは、明らかに他のバイクと一線を画するルック675(LOOK 675)特有のアイコンである。エアロ効果よりもルックスの美しさを第一に捉えたデザインではあるが、ステムの上下の反転とスペーサーの有無によって5mmごと・最大15mmの調整幅を持ち、ユーザーの制限をある程度取り除く工夫が施される。
しかし逆に言えば調整幅が15mmしかないということで、購入時には注意が必要だ。ポジションがしっかり決まっているベテランライダー向きと言えるだろう。
ルック675(LOOK 675)のテーマは、「十分な剛性を確保し、優れた空力性能と衝撃吸収性を備え、悪路を含めた平坦路の走破性を高めたレース用モデル」。DCSC(Dual
Comfort and Stifness Concept)に則ってカーボンの積層をコントロールし、剛性と柔軟性のバランスが研究された。
なお、ルック675(LOOK 675)の"6"はステム、フロントフォーク、シート周辺までのトータルインテグレーション設計を、"7"は上から3番目という意味の位置づけを、"5"は695と同じカーボンインナーラグ工法の採用を意味しているそうである。
ルック675(LOOK 675)はインナーラグを採用している。インナーラグとはフレーム内側にラグを設け、各所を補強して剛性を稼ぐもの。
モノコックに見えるルック675(LOOK 675)だが、ヘッドやシート、BB部分にこれを採用して高い反応性を演出している。
ヘッドチューブにはプレッシャープラグを省くルック特許の「ヘッドフィットシステム」を導入してコラムの肉厚を増し、安全性と耐久性を大幅に向上させている。
ヘッドベアリングは上1-1/8インチ、下1-1/2インチの上下異型テーパードヘッドで、ブレーキングとスタビリティを獲得している。
そしてルック675(LOOK 675)は、ルックが初めてプレスフィットBBを導入したバイクでもある。
シマノ、カンパニョーロの純正カップが使用可能なBB86.5を導入したことでBBシェルの幅を広げ、より高いねじれ剛性を演出。繋がるダウンチューブは、丸みのある長方形断面とし、パワーラインの強化が行われている。
一方、中心部を扁平に潰した「Xチェーン&シートステー」で、縦方向の振動吸収性をアップしている。
フォークはカーボンの積層をコントロールすることで、縦・横方向共に25%の性能向上を得たと言われる。
シリアスライダーから、ロングライド派まで、全てのライダーが満足でき得る、性能バランスを求めて生まれたのが、このルック675(LOOK 675)なのである。
フレームはDi2とEPSに対応するコンバーティブル仕様となり、もちろんフルインナーとなるケーブル類は独特かつ美しいフォルムを際立たせてくれるポイントである。
フレーム単体重量は1150gと軽くは無いが、重すぎることも無い。安全マージンが各所に取られていることを考えれば、安心とも言える。
ルック675(LOOK 675)
フレームサイズ:49、51、53、55、57
付属ステムサイズ:49=90 51=100 53=110 55、57=120
カラー:ブラック/ホワイト/レッド、ブラックラベル
Fディレイラー:直付
BB規格:プレスフィット86.5
重 量:1,500g(未塗装Mサイズ フレーム1,150g+フォーク350g)
付属品:専用カーボン フォーク、HEAD FIT4 ヘッドパーツ、A-ステム、カーボンシートポスト
日本国内販売価格:283,500円(税込)
ルック675(LOOK 675)のレビュー&インプレッション
以下に数人の感想を記す。個人の意見なのであくまでも参考まで。
フロントフォークがカッチリしていて、剛性感が高く、反応の良さが感じられるバイク。
剛性が高く、路面からの情報量が多い反面、乗り心地は今一つ物足りない。
リアのたわみが少し大きいからなのか走りが少し重く感じることがある。
「ルック(LOOK)」の紹介
フランスの代表的ロードバイクブランドである「ルック(LOOK)」。
その発端は、1951年にフランス・ヌヴェールでスキーのビンディングメーカーとして起業したことに由来している。
そして、その技術を応用し、1984年に足首をひねるだけで脱着可能な業界発のオートマチックペダル PP65を発表して一大センセーショナルを巻き起こした。
その後ルックのペダルを使用したベルナール・イノーによるダブルツールや、フルカーボンバイクKG86を駆ったグレッグ・レモンのツール・ド・フランス優勝はよく知られている。
近年では地元フランスのプロチーム、コフィディスに機材供給している。絶えずプロチームへと機材供給を行い、そのフィードバックを活かして製品開発を行なってきた。